障がい者総合研究所の調査によると、８割の発達障害者が職場へのカミングアウトを望んでいる一方、７割がカミングアウトできていない現状があると言う（詳細は上記より）。
ADHDを上司に告知
仕事で、失敗を繰り返す中、うつの治療、ADHDの治療を受けるようになった。
うつやADHDの薬を処方され、会社でも飲まなきゃいけなくなり、こっそり飲み始めた。でも、仕事中に飲む場所は、会社の給湯室しかない…会社の飲んでるのがきっとばれると思うようになった。対策が必要だ…そこで。
元々、便秘からの痔で入院したことがあり、それを理由に「便秘のことで病院に行っていて薬をもらっている」と、薬を飲んでるのを会社の人たちに見られた時は、そう伝えた。
でも、うそや隠すのが苦手な僕…いつまで隠し通せるか自信がなくなった。
そこで、上司には告知したほうがいいか考えた。
カミングアウトするか、ムッチャ迷った
僕は妻と、子供２人を抱えている。もし上司に告知して、給与が下がったら一大事だ。
嫁さんに相談した。難色を示された。
僕の中でもやめた方がいいかも…と思った。
会社の人「失敗しても、ADHDだから許してって思ってる？」
もし、こんなこと言われたら、たまったもんではないと思った。
しかし…
ADHDの心療内科は、いつも会社が休みの土曜日に行っている。
会社の人たちは休みの予定もいろいろ聞いてくる。
こういう時、うまく切り返すのがとっても下手だ。
でも考えた。
「治療していることを、前向きに捉えてもらえないかな…」
それは相手次第だろうと思った。
直属の上司は、感情的な人だが優しい時もあり、悩みを打ち解けて話せるような時もあった。
その上司に、「他の人には言わないでくださいね」って言って、仕事上のストレスの話をするようにして、実は、不眠で薬も飲んでることを話した。
上司は、僕の気持ちを受け止めてくれているように感じた。自分で言うのもなんだが、きっと、失敗は繰り返してるけど、素直や謙虚になってきたこと、あきらめずに努力してたり、他の職員に協力する姿勢、仕事に対する熱意を評価してくれたんだと思う。
うまく言えたと思ったから、うつの薬も服用していると伝えた。
そして、ADHDであり治療していると伝え、でも、給料が下がったら家庭があるから心配であることも伝えた。
すると上司は
「大丈夫。それ（病名）と評価は別だから」
とサラッと言ってきた。ちょっと意外だった。
そうだったのか… 病名と評価は別か…
確かにそうかも…
その後上司は、僕の部署の主任にも僕の病名を伝えた。
「ごめん、主任が知っていれば、主任のあなたに対するアタリが良くなると思ったから言っちゃった」
と言われた。
事前に言ってほしかったが、でも知っている人が増えたこと、ありがたかった。
僕は、気が弱いのだろう。まだ職場全体にカミングアウトする気持ちにはなれない。
でも、そんな必要もないかもと思っている。
それは、周りが配慮してくれてるからだ。
もしかしたら、上司や主任が、もう他の職員たちに伝えたのかな？？
いずれにしろ、今は、周りが、以前より少し、サポート的になってくれている。
KY発言や、意味不明発言に対して、笑って対応されるようになった。
イライラされることが減った。
失敗を怒られることが減った。
それはなぜか。
フォローされるようになった訳
KY発言をした時、「すいません、意味わかんないでしょうか」と相手に聞いている。
失敗の後の報告が、前よりは早くなった。
相手に声をかける時のタイミングや、声のかけ方が、前よりはうまくなった？
相手が僕のことを理解してきた？
やっぱり、みんな、僕がADHDだなって知ってるからかな？
知ってるかわからないけど、知らなかったにしろ「ADHDかもしれないドジで意味わかんないことを言ってくるやつだけど、一生懸命やってるし、人が嫌がることも進んでやるし、まあ、少しくらいのことは我慢しようかな」って思ってくれてたら嬉しい。
結論：上司にカミングアウトした効果はあり。
理由：自分もすっきりしたし、上司も僕がADHDだったことがわかり、治療をしてることもわかり、改善に向けて努力していることもわかったから。上司のトゲトゲした態度が減ったから、周りの態度も前より柔らかくなった。
ネットで調べたら、はっきりカミングアウトしてる人がいた！！
加賀美サイさん
加賀美さんは、カミングアウトしてうまくいったようだ。
一方、カミングアウトして退職に追い込まれた方もいた。ウーマンエキサイトから。
カミングアウトはできれば、いい。
就職前にADHDがわかっていたら、やっぱり法律的な問題もあり、事前告知の必要性から、本来的にはカミングアウトが必要だろう。でも、世の中、きれいごとではすまされない。
なんとか、うまくやっていかねば…
だから、カミングアウトしない選択も当然ありうる。
なんとか、生きていければいいのだ。
最後に
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
